hoshi-itsu’s 本にまつわるblog

「ほしいつ」です。海外ミステリが中心のブログです。下書きがなくなってしまったのが悲しい……。

ノンフィクション

『性犯罪者の頭の中』鈴木伸元,幻冬舎新書,2014

著者はNHKのディレクターで、その番組取材をもとに書き起こした新書。正直言えば物足りないのですが、認知行動療法という性犯罪の対策が効果を上げている本書の報告を読む限り、「性犯罪は『ムラムラ』してではなく、『計画的』がほとんど」(47ページより)…

『生ける屍の結末――「黒子のバスケ」脅迫事件の全真相』渡邊博史,創出版,2014

『黒子のバスケ』脅迫事件の犯人の手記。さまざまな意味で興味深い内容となっています。 構成は大きく3つに分けられており、1章が事件の概要で、どのようにして犯行を行ったのかを詳細に語っています。2章が「裁判で明らかにかったこと」として、なぜこのよ…

『騙されてたまるか―調査報道の裏側』清水潔,新潮新書,2015

『桶川ストーカー殺人事件―遺言』『殺人犯はそこにいる』の清水潔氏が、自ら行った調査報道について、コンパクトに示した新書。面白かったのが、清水氏が三人称では書けず、一人称でどうにか書けるようになったといっているところ。 騙されてたまるか 調査報…

『二階の住人とその時代―転形期のサブカルチャー私史』大塚英志,星海社新書,2016

大塚英志氏が漫画家を目指しつつ、徳間書店のマンガ雑誌の編集者のアルバイトに誘われ、2年間ぐらい働いていたときの、『アニメージュ』を中心にどのようにオタクの「評論」文化が作り出されてきたかを自身の経験や見聞きしたことを交えて語ったもの。あの時…

『黒い迷宮ールーシー・ブラックマン事件15年目の真実』リチャード・ロイド・パリー,濱野大道訳,早川書房,2011,2015――一種の怒りと恐怖を抱くことができる傑作

ホステスのイギリスの若い女性を監禁・殺人を行った事件を追ったノンフィクション。ものすごくリーダビリティが高く、描写が理性的で偏ることがなく、一種の怒りと恐怖を抱くことができる傑作。 ニュースなどで犯人が報道されたが、詳しい説明はなく、どのよ…

『「週刊SPA!」黄金伝説1988〜1995――おたくの時代を作った男』ツルシカズヒコ,朝日新聞出版,2010

『SPA!』三代目編集長の手記で拾いもの。私は編集者の記録を読もうと集めているのですが、本書は興味をもっていませんでした。ところが実際に手に取ったとき、著者が『月刊OUT』の編集から始めているのをみて、興味をもちました。 あの時代の空気が確実に感…

『まんが医学の歴史』茨木保,医学書院,2008

作者は産婦人科医でクリニックの院長をしているマンガ家。医学書の世界では有名な方で、ある執筆者から茨木先生に挿絵を描いていただきたいとご指名されたことがあります。というのは、ある医学雑誌で四コママンガを連載していて、それがとてもリアルで面白…

『逮捕されるまで――空白の2年7カ月の記録』市橋達也,幻冬舎,2011

どうやったらこの日本で2年以上警察から逃げることができたのか、また逃げているときの心情はどうだったのか、に興味をもって、ブックオフ100円コーナーで購入。例えば、なるべくカメラに写らないようにコンビニの前を通って逃げなかったことなど、なかなか…

『通訳日記―ザックジャパン1397日の記録』矢野大輔,文藝春秋,2014

ブラジルW杯の日本代表監督のザッケローニ氏の通訳をしていた矢野氏の日記をまとめたもの。就任から解散までが書かれています。ザックにおける日本代表の評価を知るものであり、それはマスコミで発表したものと変わりません。ザック氏は本当に正直だったのだ…

アニメを作るということ――『風に吹かれて』鈴木敏夫,中央公論新社,2013

最初に書店で見かけたとき、渋谷陽一氏による鈴木氏への『Cut』のインタビューをまとめたものか、『風立ちぬ』公開時にあわせて、なぜかロッキン・オンではなく、中央公論新社で発行されたもの。 鈴木氏は宮崎氏、高畑氏との出会いから現在までの流れを吐露…

『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上)(下)』増田俊也,新潮文庫,2011,2014

戦前から戦後にかけて柔道日本一として君臨した柔術家の木村政彦の一生涯を追っていったノンフィクション。第43回大宅壮一ノンフィクション賞、第11回新潮ドキュメント賞受賞作で、非常に読み応えがあります。優れたノンフィクションには読者に幾通りもの読…

『殺人犯はそこにいる――隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』清水潔,新潮社,2013

あの桶川ストーカー殺人事件の清水氏の新刊ということ、その書評で絶賛されていたことから自宅のそばの書店で購入しました。これは、1979年以降、群馬県・栃木県の県境付近で起きた幼女の誘拐・殺人事件を清水氏が独自に追っていたものの集大成。テレビで報…

『古本屋ツアー・イン・ジャパン』小山力也,原書房,2013

早稲田の書店で見かけてすぐさま購入した本。私は古本屋に行くのは好きなのですが、それは単にケチが高じたものであり、なるべく安く購入して多く読みたいだけなので、ブックオフばかり行っています(本日も行きました)。全国各地に旅行や出張に行くたびに…

『リハビリの夜』熊谷晋一郎,医学書院,2009

『新潮45』で第9回新潮ドキュメント賞を受賞した自叙伝に近いノンフィクション。著者は脳性まひ者で身体の不自由をかかえ、東大医学部に入学、医師になった。現在は臨床を少なくし研究がメインなのでしょうか。 まあ迫力のある内容で、自らの身体の動きと精…

『桶川ストーカー殺人事件―遺言』清水潔,新潮文庫,2000→2004

私にとっては、久しぶりの事件物のノンフィクションです。本書は、表4の紹介文に『執念の取材を続けた記者がたどり着いた意外な事件の深層、記者の闇とは』の後に続く、『「記者の教科書」と絶賛された、事件ノンフィクションの金字塔!』という二つの視点か…

『争うは本意ならねど――ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール』木村元彦,集英社インターナショナル,2011

元川粼フロンターレのFW我那覇選手のドーピング冤罪を受けるまでの物語。こう言っては不謹慎ですが、とにかく読んでいるときは腹が立って、そして涙が出るほど哀しくなって、勇気づけられる、中途で終えることができないほど面白いノンフィクションです。サ…

『わたしの少女マンガ史――別マから花ゆめ、LaLaへ』小長井信昌,西田書店,2011.

本書の著者は『別冊マーガレット』『花とゆめ』『LaLa』『ヤングアニマル』『MOE』などの編集長、編集担当役員をつとめた方で、自らの編集者としてどのように関わってきたか回顧したエッセイ風ノンフィクション。もっと詳細に知りたいと感じさせるぐらい面白…

『遺言』岡田斗司夫,筑摩書房,2010

岡田氏が関わった「アニメ作品」「ゲーム作品」について、どのようにして自分が関わってきたかを語り下ろしたもの。ノンフィクションなのか、エッセイなのか、告白本なのか迷うのですが、非常に面白く2段組380ページ強の活字を一気読みしました。後書きで、…

『トラブルなう』久田将義、ミリオン出版、2011

著者は、あの『実話ナックルズ』元編集長。私は『実話ナックルズ』をほとんど読んでいないのですが、まあ編集者のトラブルへの対応方法を知りたい思って購入。「はじめに」に著者の言葉として「編集者とは恫喝、脅迫、恐喝、暴力、拉致、などに耐えうる者の…

『複眼の映像―私と黒澤明』橋本忍,文藝春秋,2006→2010

脚本家・橋本忍氏の『羅生門』『生きる』『七人の侍』などについて、黒澤明との共同脚本はどのように書かれたかを記した自叙伝。 私は黒澤明についての評論をほとんど読んでいないので無知なのですが、なぜ、『羅生門』『生きる』のような一種文芸的な作品か…

『完本 1976年のアントニオ猪木』柳澤健,文藝春秋,2007→2009

まず結論からいいますと、本書は傑作である。私は、プロレスに夢中になったこともないし、アントニオ猪木に深く魅了されたことがない。プロレスなど退屈に覚えるほどである。夢中になったとすれば『プロレススーパースター列伝』の「懐かしのBI砲編」を通し…

『世界が指摘する岡田ジャパンの決定的戦術ミス〜イタリア人監督5人が日本代表の7試合を徹底分析〜』宮崎隆司,コスミック出版,2010

これは面白かった。こういう分析本を待っていた。一気読みしました。日本代表の7試合をイタリア人監督5名が徹底分析したもの。昨年か一昨年の『Number』でイタリア人の戦術オタクの代表や浦和レッズなどのゲーム分析がやたら面白かったので、本書にも同じ…

『黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年』元川悦子,スキージャーナル,2009

1999年にワールドユースを準優勝した世代である「黄金世代」についてまとめたノンフィクション。1章「黄金世代誕生の背景と軌跡」とし、この世代が生まれた時代とどのように育てられたかを年代順に追って総論と位置づけ、2章「黄金世代証言集」では、小笠…

 『星新一―一〇〇一話をつくった人』 最相葉月、新潮社、2007

第29回講談社ノンフィクション賞、第28回日本SF大賞、第34回大佛次郎賞、第61回日本推理作家協会賞 評論その他の部門などを受賞したノンフィクション。作家の伝記+日本SF小説史+日本戦後史などさまざまな視点から愉しむことができます。 気になったとこ…

 『浦和レッズ敗戦記』小斎秀樹、文藝春秋、2009

本書と『都筑道夫 ポケミス全解説』を店頭買い。『都筑…』は「ぺえぱあないふ」が付いているというところに惹かれました。やはり僕は、都筑さんと若島先生の書評が好きですねえ。何といったらよいか、お得感がある感じがします。ミステリで文学性が高いこと…

『怪魚ウモッカ格闘記―インドへの道』高野秀行、集英社、2007(○)

ネット上で一部のUMAファンに盛り上がってるインドの漁村で捕獲された、鮫にもワニにも似たトゲトゲの怪魚、通所ウモッカ。それを探しにインドに向かうお笑いノンフィクション。読み物として面白いです。怪魚ウモッカ格闘記―インドへの道 (集英社文庫)作者: …

『アヘン王国潜入記』高野秀行,集英社文庫,1998→2007(○)

アヘン王国潜入記 (集英社文庫)作者: 高野秀行出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/03メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 35回この商品を含むブログ (47件) を見る 1995年,ゴールデントライアングル「黄金の三角地帯」,インドシナのタイ,ラオス,ビルマ…

『萌えの研究』大泉実成,講談社,2005(○)

萌えの研究作者: 大泉実成出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/12メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (55件) を見る 私は「萌え」に感応しない人間なのですが,ウーンと唸りながら一気に読んでしまいました。 本書は,筆者の大泉氏が,私…

『でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相』福田ますみ,新潮社,2007-01(○)

でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相作者: 福田ますみ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/01/17メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 175回この商品を含むブログ (50件) を見る 先日の新聞広告で「第6回 新潮ドキュメント賞受賞」とうたっていた作品。…

『日本人よ!』イビチャ・オシム,長束恭行訳,新潮社,2007-06(○)

日本人よ!作者: イビチャオシム,Ivica Osim,長束恭行出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/06メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 57回この商品を含むブログ (55件) を見る サッカー日本代表監督イビチャ・オシム氏の日本サッカーについて提言した本。今ま…

『心にナイフをしのばせて』奥野 修司,文藝春秋,2006-08(◎)

心にナイフをしのばせて作者: 奥野修司出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/08メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 368回この商品を含むブログ (96件) を見る 非常に評価が難しい作品。さまざまな要素を検討したあげく,やはり素晴らしいノンフィクショ…

『フリーター漂流』松宮健一,旬報社,2006-01(○)

フリーター漂流作者: 松宮健一出版社/メーカー: 旬報社発売日: 2006/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 12回この商品を含むブログ (37件) を見る著者は,NHK報道局番組部ディレクターで,フリーターを特集したNHKスペシャル「フリーター1417万人の衝撃…

『敗因と』金子達仁,戸塚啓,木崎伸也,光文社,2006(○)

敗因と作者: 金子達仁,戸塚啓,木崎伸也出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/12/15メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 27回この商品を含むブログ (64件) を見るわたしの読後の感想は,「ドイツワールドカップの統括は,本当にこれでいいの…

『夜露死苦現代詩』都築響一,新潮社,2006(○)

夜露死苦現代詩作者: 都築響一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/08/30メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 33回この商品を含むブログ (61件) を見る都築響一氏の一連の仕事の流れにあるものといえます。なんといったらよいのか,民俗学的だと思うのです…

『仕事師たちの平成裏起業』溝口敦(○)

仕事師たちの平成裏起業作者: 溝口敦出版社/メーカー: 小学館発売日: 2004/12メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (7件) を見るこれって小学館なんですねえ。今まで気がつきませんでした。『SAPIO』の連載なんですね。『SAPIO』というと昔「…

『賃貸宇宙UNIVERSE for RENT〈下〉』都築響一(○)

賃貸宇宙UNIVERSE for RENT〈下〉 (ちくま文庫)作者: 都築響一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (47件) を見る昨日の続き。こうしてみると,人の部屋のなかというのは,住んでいる人の…

『賃貸宇宙UNIVERSE for RENT〈上〉』都築響一(○)

賃貸宇宙UNIVERSE for RENT〈上〉 (ちくま文庫)作者: 都築響一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/12メディア: 文庫 クリック: 43回この商品を含むブログ (63件) を見る賃貸物件の部屋をたくさん集めた写真集の文庫。たぶん『SPA』に連載されていたもの…

『医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か』(○)

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か作者: 小松秀樹出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2006/05メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 180回この商品を含むブログ (152件) を見る本書が刊行を新聞広告で見て書店で見つけたとき,現在告発すべきテー…

『AV女優』(◎)

AV女優 (文春文庫)作者: 永沢光雄出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1999/06メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 1,119回この商品を含むブログ (74件) を見る永沢光雄氏が亡くなられました。ご冥福をお祈りします。本書は傑作でした。大学生のとき,ある雑誌…

『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(◎)

裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)作者: 北尾トロ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/07メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 66回この商品を含むブログ (216件) を見る東京地方裁判所の裁判傍聴記をエッセイ風に記したルポ。面白いので一気読み…

『脳のなかの幽霊、ふたたび―見えてきた心のしくみ』

脳のなかの幽霊、ふたたび 見えてきた心のしくみ作者: V・S・ラマチャンドラン,山下篤子出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/07/30メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 47回この商品を含むブログ (85件) を見る本書は,頭部に外傷を受けた患者にときどき…

『こころの王国』

こころの王国作者: 猪瀬直樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/04/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (11件) を見るサブタイトルに「菊池寛と文藝春秋の誕生」とあるノンフィクション。菊池寛の秘書の一人称で,菊池寛の人と文藝春秋の変遷につい…

『オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える』

オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える作者: 木村元彦出版社/メーカー: 集英社インターナショナル発売日: 2005/12メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 90回この商品を含むブログ (397件) を見る私は初刷で読みました。読むと,何故オシム氏はジェ…

 『幻獣ムベンベを追え』

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)作者: 高野秀行出版社/メーカー: 集英社発売日: 2003/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (49件) を見る本書は2003年に文庫化されたものだけど,親本は1988年にPHP研究所から出版されたもの。当…