ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

ライトノベル

『このライトノベルがすごい! 2010』「このライトノベルがすごい!」編集部,宝島社,2009

私がライトノベルを気にするのは、ハリウッドの映画のように物語の方法論で書かれているから、何か新しい面白さが現れるのではないかと期待しているからなんです。また、男性向け・女性向けときちんと分かれているのもよい。でも、業界的に作家を食いつぶす…

『ライトノベル作家のつくりかた―実践!ライトノベル創作講座』浅尾典彦, ライトノベル研究会,青心社,2007

とにかく編者がもつ「ライトノベル作家を作ることができる」ということを伝えたい想いと熱気が伝わる良書。5人のライトノベル作家のインタビューから始まるのですが、その一人も読んでいない私にも、その内容が面白いのですから。編集が同人誌的なノリなの…

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』 伏見つかさ, かんざきひろ, アスキーメディアワークス,2008

タイトルに惹かれて購入したライトノベル。17歳の男子高校生が主人公で、彼には茶髪でピアスの雑誌モデルもこなす女子中学生が妹にいるが、ここ数年口をきいていない。そんな妹に人生相談があると、ここ数年来入っていない妹の部屋に呼ばれるのだが…というコ…

 『“文学少女”と繋がれた愚者』 野村美月, 竹岡美穂,エンターブレイン,2006

文学少女シリーズ第3弾。今度は、武者小路実篤『友情』をモチーフにした物語。 遠子が学校の図書館から借りてきた『野菊の墓』の1ページが切り裂かれなくなっていた。その犯人を捜してみたところ、心葉のクラスメートの芥川だった。一方、来るべき文化祭で…

 『銀河英雄伝説 1・2』 田中芳樹

SFとしても、ライトノベルとしても、評価の高いシリーズ。私は、高校時代から名のみは知っていたものの、もともとSF、とくにスペースオペラを苦手としていたため、手にとることはありませんでした。今回は、ライトノベルの名作として、また東京創元社で再刊…

 『とらドラ!ノ全テ!―電撃文庫公式解説本』 竹宮ゆゆこ、アスキー・メディアワークス、2009

タイトル通り、「とらドラ!」関連の小説・アニメ・マンガ・ゲームについてのレビュー&ガイドブック。著者インタビューが見開き2ページ(これはメールインタビューなのかな?)、アニメ監督の長井氏+シリーズ構成の岡田氏の対談6ページ、あと各雑誌に掲…

 『イリヤの空、UFOの夏〈その3〉〈その4〉』 秋山瑞人、アスキー・メディアワークス、2002・2003

中学生の少年と少女が主人公のSF青春ラブストーリー。どこか自身のない受け身の主人公の男の子、少し精神的にも肉体的にも普通と異なり虚弱なところがある女の子、妙に自信家で行動力があり頭の良い、超常現象好きの主人公の親友の男の子など、また、どこか…

 『イリヤの空、UFOの夏〈その1〉〈その2〉』 秋山瑞人、アスキー・メディアワークス、2001

2ちゃんのライトノベル板で高く評価されていたので、中学2年生が主人公というのに気恥ずかしさを感じつつも、近頃中坊ぽい気分になって、手にとってしまいました。 今回は、その1に「第三種接近遭遇」「ラブレター」「正しい原チャリの盗み方―前編」、そ…

 『“文学少女”と飢え渇く幽霊』野村美月、エンターブレイン、2006

文学少女シリーズ・第2作目。テイストとしては第1作目『死にたがりの道化』と同じで、カバー紹介には「ビターテイスト」とされていますが、誰も幸せにならないという点で「トラジディ(悲劇的)テイスト」に近いです。そういうものが好きな人、人生はそう…

 『わたしたちの田村くん』竹宮 ゆゆこ、メディアワークス、2005

『とらドラ!』の竹宮ゆゆこ氏の処女作。全2巻で、第1巻に「うさぎホームシック」「氷点下エクソダス」「高浦さんちの家族計画」、第2巻に「さよならサテライト」「高浦さんちの家族計画〜その2〜」の本編3話、番外編2話の全5話。 タイトルや第1巻の…

 『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~』田中ロミオ、小学館、2008

妄想なのかSFなのかいまいち判断できない学園ラブコメ小説。メタノベルとしても読めるのだけど。 高校デビューして一週間でクラス内のヒエラルヒー構築に成功した佐藤一郎は、教科書を持ち帰るのを忘れた日の夜、学校に忍び込んだ。教室には、杖を持ち、青の…

 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』桜庭一樹, むー、富士見書房、2004

桜庭一樹氏の出世作。私も本作を書店で見て、作家の名前を記憶したものです。しかし、なんとなく拒否感があり、今まで手にとらなかったのですが。ちなみに、本作を読んだ後ですが、『赤朽葉家の伝説』『私の男』などには手を出す気にはなれないなあ。別に作…

 『とらドラ 10』竹宮ゆゆこ、アスキー・メディアワークス、2009

昼休みに隣の駅の大型書店で購入です。公式では10日発売ですが、2ちゃんをみると関東近郊では本日発売みたいですね。なんか微妙なカバーイラストですが、こういう内容に関係なくキャラを一人配したイラストデザインは著者の意向が強いのかな? 最終巻まで変…

『“文学少女”と死にたがりの道化』野村美月、エンターブレイン、2006

今年はライトノベルを有名どころから無名どころまで読み込むつもりなんですが、本シリーズはその第1弾。『このライトノベルがすごい』でも一位になったからですが、以前から気になるシリーズではあったものの、元ネタを読んでから手を出すべかなあ、とのん…

『とらドラ・スピンオフ2! 虎、肥ゆる秋』竹宮ゆゆこ、アスキーメディアワークス、2009

本日は、打合せで片道90分かかるところへ行ったので、発売したばかりだというのに読み終えてしまいました。番外編スピンオフの第2巻。「虎、肥ゆる秋」「春になったら群馬に行こう!」「THE END OF なつやすみ」「秋がきたから畑に行こう!」「先生のお気に…

『とらドラ・スピンオフ!―幸福の桜色トルネード』『とらドラ! 1』

アニメも面白い「とらドラ!」ですが、小説の10巻が待ちきれません。というわけで、スピンオフとコミックを購入。スピンオフはまあまあの面白さ、コミックはきちんと小説を表現しており別の魅力があります。■『とらドラ・スピンオフ!―幸福の桜色トルネード』…

『とらドラ! 1〜9』竹宮ゆゆこ、アスキー・メディアワークス(◎)

ついにはまってしまいました。『このライトノベルがすごい!』で上位につけていたので、タイトルぐらいは知っていたのですが、たまたま深夜のアニメを見たら妙に面白くて、2ちゃんのアニメ版のスレを読んだところ、原作未読者には好評だけど原作既読者はア…

 『涼宮ハルヒの憤慨』谷川流、角川書店、2006(○)

涼宮ハルヒの憤慨 (角川スニーカー文庫)作者: 谷川流,いとうのいぢ出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/04/28メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 78回この商品を含むブログ (615件) を見る 涼宮ハルヒシリーズの第8作。中編2編「編集長★一直線」「ワン…

 「なんて素敵にジャパネスク」 作家の氷室冴子さん死去

「なんて素敵(すてき)にジャパネスク」などで少女小説のブームを担った作家の氷室冴子(ひむろ・さえこ、本名碓井小恵子〈うすい・さえこ〉)さんが6日、肺がんで死去した。51歳だった。葬儀は10日午後9時30分から東京都新宿区早稲田町77の龍善…

『狼と香辛料〈3〉』支倉凍砂,メディアワークス,2006(○)

狼と香辛料〈3〉 (電撃文庫)作者: 支倉凍砂,文倉十出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2006/10メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 62回この商品を含むブログ (315件) を見る テレビアニメ放映中の「狼と香辛料」シリーズ第3巻です。素直なストーリー…

『狼と香辛料?』支倉凍砂,メディアワークス,2006-06(○)

狼と香辛料〈2〉 (電撃文庫)作者: 支倉凍砂,文倉十出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2006/06メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 117回この商品を含むブログ (394件) を見る 行商人ロレンスが狼神ホロを連れて商売する異世界ファンタジー第2巻。私…

『涼宮ハルヒの陰謀』角川書店,2005-08(○)

涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)作者: 谷川流,いとうのいぢ出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/08/31メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 70回この商品を含むブログ (626件) を見る 涼宮ハルヒシリーズの第7弾。なんとなくだんだん電波じみてき…

『涼宮ハルヒの動揺』谷川 流,角川書店,2005-03(○)

涼宮ハルヒの動揺 (角川スニーカー文庫)作者: 谷川流,いとうのいぢ出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/03/31メディア: 文庫購入: 15人 クリック: 83回この商品を含むブログ (566件) を見る 司馬遼太郎の後にハルヒなんです…。 本書は,短編5編を収録し…

『涼宮ハルヒの暴走』谷川流,角川書店,2004(○)

涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫)作者: 谷川流,いとうのいぢ出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2004/10/01メディア: 文庫購入: 15人 クリック: 136回この商品を含むブログ (595件) を見る中短編「エンドレスナイト」「射手座の日」「雪山症候群」の3…

『狼と香辛料』支倉凍砂,メディアワークス,2006-02(○−)

狼と香辛料 (電撃文庫)作者: 支倉凍砂,文倉十出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2006/02メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 471回この商品を含むブログ (748件) を見るそんなわけで,『このライトノベルがすごい!2007』で第一位の作品を読みました…