ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

 『壊れかた指南』

壊れかた指南

壊れかた指南

筒井康隆氏の7年ぶりの短編集。全30編。
これは傑作なのだろうか? どうなのか? 分かりません。
一つひとつの短編に明確なオチはありません。読み終わると,何か物語の途中で終わった感じがします。続きがあるような。
『壊れかた指南』というタイトルが,意味深です。いや,意味深ではないのでしょうか? わざと壊れた小説を書いたという意味でしょうか? それでも面白い物語が存在するということでしょうか?
物語そのものが,つまらないとも思いません。しかし,絶対的に面白いといえません。妙に面白いということでしょうか? これは,作者の戦略にはまっているのでしょうか?
「耽読者の夢」は,アゴタ・クリストフ悪童日記 (ハヤカワepi文庫)』みたいでしたね。よく考えてみると,アゴタ・クリストフ筒井康隆に似ているのでしょうか? そう考えてみればそのようにも思えます。