「準」ひきこ森―人はなぜ孤立してしまうのか? (講談社+α新書)
- 作者: 樋口康彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/10/21
- メディア: 新書
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最初,書店で見かけたときは「講談社だったのかあー」と思わす心のなかで叫んでしまいました。
樋口氏の論文について,2ちゃんねるでちょっとした騒ぎになったとき,これは新書のネタになるなあと思いました。その後,案の定,ある新聞で,樋口氏が新書のオファーをもらって執筆しているというインタビューを読みました。早いねえ,どこの出版社かなあ,『萌える男』を出した筑摩書房かと予想していたのですが。
さて,この「準ひきこもり」という概念を知ったとき,「まさに俺のことだ」と感じました。少しでも身に覚えのある人ならば同じように感じると思うんです。今までいろんなレッテルを貼られましたけど,けっこうしっくりする気がするんですよね。
しかし,この感じをそうでない普通の人に理解してもらうのは,難しいんです。
会社に非常に頭がよい人がいるんです。物事に対する理解が早く,文章もうまい。会議でもイニシアティブをとって,きちんと論理を踏んで,相手の感情も考慮して,上司も部下も納得させることができる。非常にコミティカブな人なんですね。
そういう人に,この「準ひきこもり」という概念について,離したんですけど,あまりピンとこなかったようで,その後まったく話題にもなりませんでした。まったく理解ができなかったようなんですね(まあ,私の説明が悪かったこともあり得ますが)。コミュニケーション不全であること,対人恐怖であるということ,これらはそうでない人にとっては,未知なもののようです。
だから,この問題は放置されたきたのでしょう。ネガティブなレッテルですが,このような問題が生じているのだという告発は必要な気がします。もちろん,差別を助長するようなリスクも生じさせることもあるのですが。
おそらく,これらも,社会的問題,心理的問題,精神的問題,身体的問題,それぞれの原因(発達障害も含みます)が発見されるでしょう。その問題別に対処方法も考えられていくと思われます。