ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『愛…しりそめし頃に… 8―満賀道雄の青春 (8)』藤子不二雄A(○)

少し嫌なことがあったり,落ち込んだりすると,人生を感じさせてくれる大長編マンガを読みたくなることがあります。そんなマンガの一つが「まんが道」です。「まんが道」は,人生とは,ながい目で見れば,浮き沈みが必ずあるということを教えてくれます。一方,才能がなくては成功しないことも教えてくれますが…。
さて,「まんが道」で不明なことがいくつかありますが,その一つに,新聞記者として順調に仕事を楽しんでいたにもかかわらず,いきなり突然,マンガ家を目指すため,会社を辞めることになっているのです。主人公の満賀がそのように決意する心理的説明が抜けているんです。
本書『愛しり8巻』では,新聞社を辞めることを,社長の伯父さんにお願いしたとき,もめ事と決裂があったというエピソードがありました。
そうだよな,満賀の性格からすると,お世話になった伯父を裏切るようなもんだし,言いづらかっただろうなと思いました。まあ,もっとも「まんが道」では,マンガ家を目指す満賀に対して,理解を示している伯父であることを強く示していたのですが。
本書では,伯父が新聞社を辞めて,満賀と呑んで昔話として語っています。
ところで,「シルバーX」は,才野はもっと絡んでいなかったのですかねえ?