- 作者: 都築響一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/08/30
- メディア: 単行本
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都築響一氏の一連の仕事の流れにあるものといえます。なんといったらよいのか,民俗学的だと思うのです。普段見過ごされがちなものに光を当て価値を与える。強靱な「私」がなくては,あるいは天然でなくてはできません。これは,実は,昔でいったら深夜ラジオにあり,現代でいったら2ちゃんねるにある価値といえるでしょう。
本書は,認知症の高齢者,池袋餓死日記,死刑囚の俳句,ヒップホップ,精神障害者,スパムメール,誤変換,詠み人知らずの説教詩,ラップ,相田みつをの詩など,著者が気になったコトバを紹介したもの。
とくに認知症高齢者(本書内では痴呆高齢者)の「人生八王子」「目から草が生えても人生ってもんだろ」「力士が!力士が,何故どこまで力士がやってくる」など虚をつかれた思いがしました。
まあ,専門家の評価,一般人の評価,さまざまな評価があります。それが価値観の転換,あるいは拡大に結びつけることは面白いものです。