ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『日本文明77の鍵』梅棹忠夫,文藝春秋,2005-04(○)

日本文明77の鍵 (文春新書)

日本文明77の鍵 (文春新書)

外国人向けに日本文明について77のキーワード別に解説したものを日本語に訳した日本文明の入門書。そのためキーワードは,群島,森林,四季,世界最古の土器,貝塚,航海と交易,神殿都市,米の経済,日本人はどこからきたか,征服王朝,金属器,寺院,律令,奈良,京都,漢字と仮名,日本語,歌と小説,神道,神話,武士など。外国人向けだったので,日本文明の特徴を言い表せるものを選んであり,非常に分かりやすいです。

例えば,「武士」の項で,日本では武士のもとで封建制が発達したのですが,これは騎士によるヨーロッパの封建制の形態と似ていました。東アジアでは,封建社会を切り開いた国はな飼ったのにはかかわらず,などと書かれています。そういえば,中国の武人は武士とは違うんですかねえ。三国志水滸伝では同じような振る舞いをしていますが,本当は異なるのかも知れませんね。そのあたり調べてみようかな。