ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上)』『ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下)』塩野七生,新潮社,1992/2002(○)

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) (新潮文庫)

塩野七生氏の作品を読むとき,いつも思うことには,いったい小説なのか,ノンフィクションなのかということ。『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』を読んだときから,ずっとですから。また,面白いんだか,面白くないんだか,よく分からないのも同じ。けど,一定期間が経つと,また手にとってしまう,私にとって不思議な作家です。

本書は,発行当時ベストセラーになっていました。会社で読んでいて,2人の同僚に見せると「つまらなくて途中で止めたよ」と言われました。ベストセラーだったから手に取ったらしいんですけど,その気持ち,分からないわけではないけど,そんなモノなのかなあ,って残念でした。その2人ともケッコウな読書量がある人なんですけどね。

本巻では,ローマ建国からイタリア半島を統一するまでの五百年の物語。どのようにして一千年にわたって反映した古代ローマの基礎がどのようにして固まったのかを解説していきます。

ちなみに一冊二〇〇頁の文庫本は本当にいいですね。電車の中で読むのに,スーツやバッグのポケットに入れるのに,ピッタリ。すべての文庫本をこの厚さにして欲しいぐらいです。