hoshi-itsu’s 本にまつわるblog

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『団塊ひとりぼっち』山口文憲,文藝春秋,2006-03(○)

団塊ひとりぼっち (文春新書)

団塊ひとりぼっち (文春新書)

事情があって,「団塊」について調べなくてはならず読みました。どのような内容と言ったらいいのか,うまくまとめ切れませんが,著者の同時代的な団塊論といえばいいのでしょうか。分かりづらいですね。団塊世代の時代・出来事・流行などを挙げて,ひとりのプライベートな団塊の人間として,どのように生きたらよいのかを同情的に述べているものといえばいいのでしょうか。意味不明な文章だな。

冒頭に団塊について説明した,以下のような他書からの引用で始まります。

〈この世代には理念や哲学,一貫したポリシーがありません。学生時代は左翼運動にかぶれたかと思うと,卒業後は企業に入って猛烈サラリーマンになる。ところが会社が左前になると,たちまち忠誠心も労働意欲もなくし,ひたすら給料をもらうだけの守りの姿勢に入ります。要するに,この世代は無責任で,自己保身しか頭にないのです。(略)中身がないくせに自己主張だけはしたがります。権力好き,権威好き,高圧的な“えばりん坊”タイプが多い〉(梅森浩一著『「クビ!」論。』朝日新聞社)。

これに対し,筆者は「まことに乱暴で粗雑な議論というほかないが,それにしてもひどいいわれようじゃないか」とこぼしています。

私なんか,この引用文を読みますと,「あー,こういうタイプ,いるよなあ」と具体的な人物が2名も浮かびますね。その人々はやはり,もろ団塊世代。元上司と仕事上のお付き合いをしている人なんですけど。例えば酒の席などで言っていたことと,別の場面では言うことが異なることが多い。本音だから,毅然と自分の思っているとおり行動するのかと思うと,少しその上の人がいうと,言うことが変わってしまう。だから,付き合う方としては,どのように付き合ったらよいのか,混乱してしまうんです。

上記の引用文は,確かに乱暴かもしれませんが,他の世代から,このような累計で何故見られてしまうのか,本書は,そこに立脚点をもって書いているようなんですね。それでまあ,乱暴にまとめちゃうと,団塊団塊といっても,個人個人は,他の世代と変わらないのだ,ということでしょうか。だから,著者のねらいはうまくいっているんでしょう。

でも,他の世代から,上記のように思われることは今後変わることがないでしょう。そう思わなくては,付き合っても,こちらが疲れるだけで,やってらんないです。逆に,そう思ってしまえば,そういう人なんだからしょうがないよなと諦めがつきますから。

ああ,団塊に対して厳しいことばかり書いてしまったなあ。本書は,その反省に立脚しているので面白いですよ。あまり腹立ちません。でも「ひとりぽっち」はないよなあ。他の世代にとって失礼なような気がする。もう少し,他世代のことに気を配らないと,ますます嫌われるかもしれませんね。