ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

ハードボイルドは死語

 昨日のエントリを書いた後思ったことですが,「ハードボイルド」という言葉は,死語なんですね。ある程度,古い人間でないと誰も知らない言葉。いや,本当に死語なのかな。定着したことすらない言葉なのかもしれないですね。ミステリ小説好き以外に知っている人はいるのでしょうか。いないですよね。

 だいたい,第二次世界大戦後,『エラリイ・クリーンズ・ミステリ・マガジン』の他に,ハードボイルド小説を主体にした『マンハント』,そして『ヒッチコックマガジン』など海外ミステリ誌が三誌もあった時代ってどんな時代だったのでしょう? あの暗い70年代の『週刊少年マガジン』『週刊少年サンデー』が出版されていたのと同じぐらい不思議です。

 『ロンググッドバイ』を読んでいますと,マーロウは何でそんなことを言うのかな,と思うことがしばしばあります。相手の気分を悪くするだけで自分に得になることがない。だから,そんなことをしたら,職業としての探偵をやっていくことができないんじゃないかとハラハラしますね。そう思うのは,私がヘタレだからでしょうけれど。