ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『晩餐の誓い』ウィリアム・マッキルヴァニー,中村保男,早川書房,1994-01(○)

晩餐の誓い―レイドロウ警部シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

晩餐の誓い―レイドロウ警部シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 マッキルヴァニーの『夜を深く葬れ』『レイドロウの怒り』もあらすじを読んでもまったく覚えていません。が,本書は久々のマッキルヴァニーです。昔買ってずーっと積ん読だったものです。

 良くも悪しくもイギリスの警察小説(ちょっとアメリカ警察小説風味入り)。それが味わいたかったので,まあまあ満足。ラストシーンに苦いもの大ありで,素晴らしいですよ。このネタだけですけどね,良かったのは。この辺がイギリス小説。何となく,ジェイムズ・マクルーアを感じさせます。

 で,なぜだか,前半部分を読んでいると,ルース・レンデルを思い出しました。同じイギリスが舞台だからかな? それにしても,80年代後半〜90年代前半まで,毎年2〜3冊翻訳されていたルース・レンデルはどこに消えてしまったのでしょう。古本屋にすら,あまり見かけません。『ローフィールド館の惨劇』ぐらいは,きちんと読まれるべきなんですがねえ。