- 作者: 藤沢周平
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1995/11
- メディア: 文庫
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家老暗殺で用いられたらしい秘剣「馬の骨」。「馬の骨」は矢野家で代々相伝されている秘太刀であるらしい。亡くなった矢野家の当主から受け継いでいる可能性がある高弟が6名いる。一体誰が受け継いで,誰が家老を暗殺したのか。その探索を現家老に命ぜられた半十郎と現家老の甥銀次郎は,その6名に探りを入れたり,「馬の骨」を出させるべく,立ち会いを挑むのだが…。
藤沢周平の傑作です。秘太刀を受け継いだのは誰かという,謎の設定が本当に絶妙です。この設定だけでもお腹いっぱいになりますね。そして,結末のリドルストーリー性。それにもかかわらず,カタルシスがある。読者にさまざまな想像を起こさせてくれます。最後まで読んで,「そんな伏線あったっけ?」ともう一度最初から読み始めてしまいました。
さて,私の推理ですが,「馬の骨」は秘剣であり,藤蔵一人が受け継いだのではなく,杉江を含む複数が使い手ではないかと思うのですがいかがでしょう? まあ,そんな楽しみを持たせてくれる小説です。