- 作者: ドストエフスキー,安岡治子
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/05/10
- メディア: 文庫
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新訳で新たに出版された『カラマーゾフの兄弟』が非常によく売れているようですが,『カラマーゾフの兄弟』は昔大学生の頃読んだことがあるので,そのときから気になっていた,かつ短いので『地下室の手記』を出張先の書店で手にとった次第。
でも,『カラマーゾフの兄弟』のときも思ったことだけど,どうも,ロシアの小説は私にリアリティを抱かせない。もっと簡単に言ってしまえば,ノリにのることができない,という感じ。ただ名作と言われれているから読んでいんですね。
と思いつつも,本書は,現実社会に適応できない人間の,単なる痛い人間の,現実に対する恨み言を書きつらねており,まるで2ちゃんねるを見ているようでした。しかし,長い人生のなかで誰でも,このような自意識過剰な時期はあるものなのでしょう。ただ,そういう人にとって救いになるかどうかは分かりませんが。