『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』を見てきました。既にさまざまなブログや2ちゃんねるなどで紹介されていますが,まあ面白かったです。失望することはありませんでした。相変わらず,謎が多く残されておりまし,おそらく前作を見ていない方にとっては,よく分からないストーリーと感じたのではないでしょうか。
『ヱヴァ』って,本当にシンジの物語なんですね。テレビ版の第1話〜第6話までのダイジェストとなっているのですが,戦闘とシンジにまつわるシーンをつないだかのようでした。で,私は基本的にシンジがあまり好きではない。というのは,なんであんなにいつもイジイジしているんだとイライラするからですね。そういう人にとっても,楽しめる物語になっているわけです。今後も,この物語性をきちんと追求して欲しいものです。予告では,そのような期待感があふれるものとなっており,非常に楽しみです。というより,見なくてはと思わせ,ずるいです。
シンジという少年は,基本的に育てられていない子どもであると思われます。だから,アイデンティティがなく,おどおどしている。まあ,14歳ぐらいの少年すべてにいえることですけど,シンジにはそれが著しい。テレビでも,シンジのオドオドぶりが描写されるだけで,何故そうなったのかは語られていません。幼少時から14歳までの回想シーンが全くありません。不自然ですよね。アスカにだって,少しは語られていたのに。これはどういうことでしょうか? 監督の意思を感じます。語られるべき過去がまったくないということなのでしょうか? そのあたり今回の映画で語られるのかなと思えば,全くありませんでした。まあ,語られたら白けてしまうかもしれませんが。
もう少し綾波レイについて,きちんとした描写があってもよかったんじゃないのかな。レイについて,というよりも,何故シンジがレイのことを気になったのかを,レイがシンジにひかれたのかをもう少しエピソードを加えてもよかったのではないかと。そうしないとラストシーンは唐突のような感じをもつんじゃないかな。
また,冒頭で赤い海のシーンが現れたとき,前作の続きなのかなとも感じました。
★★★
エヴァの映画製作そのものは,今更でもアリだと思っていました。作品が後世に残るためには,やはり映画にしておくことが一つの手であります。ガンダムシリーズなんて正月など何かイベントのたびに衛星放送やケーブルテレビで放送されていますからね。