ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

「万歩書店」は凄かった

 所用で岡山の近くを通りましたので,『気まぐれ古書店紀行』で紹介されてから気になっていた古本屋である「万歩書店」に行ってきました。岡山駅に降り立って,レンタカーを借り,お店の電話番号をカーナビに入力してスタート。

 まずは本店。『気まぐれ…』では,体育館の広さと記されておりましたが,まさにその通り。店内に入っていくと,昔の古本屋にあった古本屋独特のにおいがワクワクさせ,天井高くまでそびえる多くの本棚に圧倒されます。いちばん奥がどこまであるのか判断できないほどです。

 入口付近には,マンガの棚が立ち並び,とりあえず近刊マンガはスルーして,ちょっと古い作家や雑誌をざっとあさります。手にとってみると,やっぱり少し高額(といっても,定価以上という意味です)。そして奥に進んでいくと,古い学術書・美術書など書籍・雑誌のバックナンバーがずらりと並んでいる。これは短時間ですべてをチェックするのは難しい,通わなくてはダメだなと半ば諦め。しかたなく,チェックしている作家の文庫・新書のコーナーをしばらく探して,数冊を購入しました。

 続いて,奥田店,東岡山店,平島店,平井店を回って同じようにチェックしてきました。基本的な品揃えは同じようですが,それぞれのお店で少しずつ個性が見られますね。スケジュールの都合で,一店舗につき,あまり時間をかけることができなかったことが残念です。

 重い荷物にならないよう,なかなか見つからない古いマンガと古いミステリを購入してきました。もっと広い家に住んでいたのなら,たくさん買い込むのになあ。ついでに,古本市場ブックオフにも寄りました。購入しませんでしたが。

 しかし,目当ての作家の一人が,東京創元社で出されているフィリップ・K・ディックだったんですが,ほとんどありませんでしたね…。古い本なんて,ネットで探せばすぐに手に入るなんて言われますけど,本当にそうなんですかね。私が,中学・高校生の頃,当たり前にたくさん古本屋で売っていた作家が,今新刊書店のみならず,古本屋にも見られなくなってきました。とくにB級エンタメは全滅といってよいのではないでしょうか。