ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『生物と無生物のあいだ』福岡伸一,講談社現代新書,2007(○)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

 最近,昭和の作品ばかり読んでいるので,たまにはベストセラーを読もうと思い,ベストセラーリストで気になっていた本書を購入。2007年5月20日発行で7月20日第6刷発行となっておりました。

 著者は第1回科学ジャーナリスト賞受賞の分子生物学者。書名タイトルから,「生物と無生物」との違いを追求したものかなと思っていたいのですが,そうではなく,生命とは何かを解説したもの。DNA構造の解明はどのようになされたか,遺伝子操作技術の仕組み,生物の動的平衡についてなど,歴史的に順を追って書かれています。

 文章は平明で非常に分かりやすく,科学者同士のドロドロとした争いごとも,事実そのものを淡々と述べています。