- 作者: 岩村暢子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/10
- メディア: 単行本
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新聞等の書評でいくつか好意的に取り上げられて,内容に興味をもったので購入したもの。けど,書店で見つけるのには苦労しました。なかなか見つからなくて。
著者は広告会社に勤めるいわゆるマーケター(なんでしょうか?)。三浦展氏と同じ業界のようです。マーケティングの分野から,新しき家族分析ができる人が現れたといってよいようです。
本書は1999〜2000年,2004〜2005年の2回にわたり,総計233世帯を対象として実施された「フツウの家族の実態調査(クリスマス・お正月編)」の結果を基に著者の分析を加えたもの。その調査は,クリスマスと正月における家族の食卓と過ごし方を日記形式で記述して,加えて写真を撮ってもらい,その後その内容についてグループインタビューをしました。そこから,非常におもしろおかしい結果が導きだされて興味深いものとなっています。
読後感を率直にいうと,「普通の家族がこわい」わけではないし,日本の食卓が破滅してるわけでもないのではないかと思いました。これらは,当然至るべき帰結なのだ。個人が,社会が求めた結果なのでしょう。別に,元旦の食卓の上に菓子パンやあったって,パック入り総菜を食べたって,いいじゃないですか。
実は,非常に笑える本でもあります。これほど思わず声を出して笑ってしまった本も珍しいので,興味ある方は読んでみるとよいでしょう。私にとっては,「こんなの当たり前じゃん」と思えることが結構あったのですが。
本書は,さまざまなネタに使える良書だと思います。この著者はまだまだ書けるでしょう(次は新潮新書かな?)。