今年のベストを以下に挙げます(順不同です)。
■[海外ミステリ]『犠牲者は誰だ』ロス・マクドナルド,中田耕治訳, ハヤカワ・ミステリ,1956→1965…今年最も驚いたミステリ。クリスティの『葬儀を終えて』のような位置づけの作品。
■[海外ミステリ]『裁くのは誰か?』東京創元社,1992-07…読後直後には,なにかすかされた感じがありましたが,時間をたってから,つらつら考えるになかなかいいトリックなのではないかと。トリック以外に何も考えていないストーリーもグッド。
■[海外ミステリ]『ロング・グッドバイ』レイモンド・チャンドラー,村上春樹訳,早川書房,2007-03-08…ベストセラーにもなった(のか?)村上春樹の新訳。
■[海外ミステリ]『死者の長い列』ローレンス ブロック,二見書房,1995/2002…暗闇がもっとも似合うミステリ。
■[日本ミステリ]『宵待草夜情―連城三紀彦傑作推理コレクション』連城三紀彦,角川春樹事務所,1983→1998-07…ミステリにはリアリティなんて必要なしと感じさせます。今年のベスト1かも。
■[人文科学]『普通の家族がいちばん怖い―徹底調査!破滅する日本の食卓』岩村暢子,新潮社,2007…普通の家族は決して怖くありません。
■[ノンフィクション]『でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相』福田ますみ,新潮社,2007…妙に迫力ある黒い事件簿。
■[マンガ]『やっちまったよ一戸建て!! (1)(2)』伊藤理佐,文藝春秋,2005…一戸建てを建てるまでのエッセイマンガ。大爆笑間違いありません。
■[時代小説]『秘太刀馬の骨』藤沢周平,文藝春秋,1995…いま考えてみるとリドルストーリーとして成功しているかどうか難しいところですが。
■[SF・ホラー]『奇術師』クリストファー・プリースト,早川書房,2004…このような丹念に構成されたストーリーは最近珍しい。思い出したのは,ハリディの「死刑前夜」。