- 作者: ジョルジュシムノン,Georges Simenon,榊原晃三
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1976/10/29
- メディア: 単行本
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フランスのミステリ作家の巨匠ジョルジュ・シムノンのメグレ警部シリーズ中期の作品。カバーのストーリー紹介では「異色作」とされていますが,メグレ警部シリーズをずいぶん昔に2作品ぐらいしか読んだことがない私には,「ふうん,そうなのか」という感じ。むしろ,巷間いわれている本シリーズの雰囲気やメグレの捜査法,後味などがぴったりと感じました。
メグレはこの4月にボルドーで開催された国際警察会議に3日間出席したが,古い友人たちに会えなかったこと,会議の討論も新しい科学的捜査方法が取り上げられていて面白くなかった。パリへ帰る途中,大学時代の友人で判事をしているシャボが住んでいる田舎町フォントネイに立ち寄った。たまたま,この田舎町で,2件の撲殺による連続殺人事件が起きたという。メグレはすぐにパリに帰ろうとしたが,第3の殺人が起きてしまった。捜査の協力を求められたメグレだが…。
メグレ警部シリーズをなぜ手にとったかというと,名探偵入門的な紹介本に,ホームズ,クイーン,ポアロと並んで,フランスの名探偵としてメグレ警部が紹介されていたこと,それにもかかわらず,ほとんど読んでいなかったこと,若い頃はわからなかったことがこの年になってわかるようになるのかなと感じたこと,そして,たまたま近所のブックオフに,河出書房新社の新装版がたくさん売られていたので,そのなかの初期3冊を購入してきたことですね。このようなシリーズものは,3冊ぐらいは読まないと,十全に味わうのは難しいものです。
本作品を検索してみたら,どうも最近ドラマが放映されたらしく,DVDが販売されておりました。まだまだ根強い人気があるようですね。それにしては,文庫がほとんど手に入らないけれど。