ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

 『4-2-3-1―サッカーを戦術から理解する』杉山茂樹、光文社、2008(○+)

4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)

4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)

 本書はサッカーの戦術の一つである“布陣”についてのテキストといえるものです。

 僕にはどうしてもわからないことがあります。それは、なぜオシムサッカーはオシムにしかできないのか、現日本代表監督の岡田氏ができなかったのかということです(岡田氏はそんなもの目指していなかったとは思いますが)。オシムサッカーの戦術とはいったい何だったのか、Jリーグしか見ない僕にはわからないことでした。それをきちんと語っていたものはありませんでした。

 それが、本書では、すべてではありませんが、世界のサッカーの布陣の歴史を概観することによって、その延長上にオシムサッカーがあったということがよくわかります。そして、トルシエ氏やジーコ氏のサッカーが、いかにそれから外れたものであったということが。