- 作者: フレッドカサック,Fred Kassak,平岡敦
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2000/09
- メディア: 文庫
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■フランスの古典的なミステリ
いわゆるフランスのサスペンスミステリ。正確にいうと日本でいえば折原一氏の作風にもっとも近い。もはや古典ともいえるものですが、まだ未読だったので。「殺人交叉点」「連鎖反応」の二つの中編が収録されています。
それでまあ、結論からいいますと、これらの作品のネタは、さまざまな後発の作品のバリエーションとして使われているので、ああ、あの元ネタはこの作品か、と感じ、高校生ぐらいのときに読んでいたら、さぞや驚いたことだろう、というものでした。不満といえば、なぜ、このようなトリックを使ったのか、小説上でしか意味がないのではないか、ということですが、それが本作品の長所でもあるのです。
とにかく、ダマす小説が好きな人にとっては、必読のミステリです。そして、このような人生のクソの役にも立たない、無駄としかいいようがないミステリが、私は好きなんですよ。