hoshi-itsu’s 本にまつわるblog

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『ミステリマガジン 2008年 05月号』/文庫の売上と定価

ミステリマガジン 2008年 05月号 [雑誌]

ミステリマガジン 2008年 05月号 [雑誌]

 関口苑生氏のエッセイが興味深かった。出版不況でことに海外ミステリの売れ行きの落ち込みが激しいことに言及しつつ、以下のように続けています。

 たとえば文庫の場合を見てみると、かつては初版の刷り部数が(作者、シリーズ人気の如何にもよるけれど)最低でも三万部というのが常識であった。それが現在ではその半分以下、一万二〇〇〇部程度だというのだ。

 このあと、そのため定価が上昇していること、上下巻が増加していること、売上部数減の原因としてかつての読者が消えてしまったことを紹介しています。

 私は主に専門書の編集をしているので、担当したもので文庫化された書籍は、エッセイが一冊しかありません。それは2〜3年前のことで、著者から「○○から文庫のオファーがあったけどいいよね」と連絡がきました。まあ発行から3年ぐらい経って売上も止まっていますので、そのオファーを出した出版社の文庫担当者より連絡をいただき、印税・部数など条件を伺って、会社に許可を得た上でOKの返事をしました。その部数が単行本の売り上げに較べて、非常に多く、「文庫って売れるんだなあ」と感じたものです。それでも、書店では目立ちませんでしたが。

 しかし、このエッセイを見ると、急激に減少しているみたいですね。そういえば、フロスト警部シリーズ最新作も、上下巻で各巻1000円オーバーでしたね。とりあえず購入しましたが、高いものです。東京創元社だから半ば専門書だからかなと割り切ってましたが…。1万部台では定価を上げないと厳しいでしょう。

 以前、出版業界とは無縁の人に、売上部数低下について愚痴をこぼしたところ、本の定価が高くなっているから売れないんだ、もっと安くすれば絶対売れると反論されたことがあります。それを社内で話しましたら、今の書籍の価格は決して高くないのに…という一様に同じ反応でした。うーん、どうしたらいいんでしょう…。

 それでも、これから、もっと、どんどん定価は上がるでしょうね。これだけアマゾンなど古書流通が整備されてしまった以上、それを前提にした上で、利益を得ることができる定価・部数設定がなされるし、そうなりつつあるということでしょう。まあ、いいか。