ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

ジェイムズ・クラムリー死去

ジェイムズ・クラムリー氏=米国の推理小説作家

 ジェイムズ・クラムリー氏(米国の推理小説作家)米ワシントン・ポスト紙(19日付)によると、16日死去。68歳。米テキサス州生まれ。1978年に発表した、酔いどれ探偵の姿を詩情豊かに描いたハードボイルド小説「さらば甘き口づけ」(日本では早川書房刊)で一世を風靡(ふうび)した。

 引用元 http://www.yomiuri.co.jp/national/obit/news/20080920-OYT1T00326.htm

 クラムリー氏の著作のなかでは『さらば甘き口づけ』『酔いどれの誇り』『ダンシング・ベア』『明日なき二人』『ファイナル・カントリー』を読んでいると思います。そのなかでベストは『酔いどれの誇り』でしょうか。原題が『The Wrong Case』なのだから、そのまま忠実に訳せばいいのにと思ったものです。

 どうも酔いどれが職業としての探偵をしていることに違和感を覚えてしまい、私はあまりよい読者ではありませんでしたが、チャンドラーの嫡子の一人を期待され紹介され(だから、そんなタイトルに日本語訳されてしまったわけですが)、いつしかクラムリー・オリジナルとなっておりました。やはり淋しいものです。