このようなワンテーマにまつわる編著の書籍・雑誌って、割合好きだったりします。さまざまな視点で語られるため、そのテーマの全体像について、コンパクトにまとめられており、また興味があるところのどこから読んでも良いものだからです。例えば、昔の宝島社や朝日新聞社のムックなどですね。結構持っています。
- 作者: 張富士夫,平野啓一郎ほか,佐伯啓思
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/04/25
- メディア: 単行本
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本書は、まったく期待していなかったため結構面白く拾いものでした。団塊世代についてでは、団塊世代が「世間や社会から期待されていること」と「自らがしたいと思っていること」にあまりにも相違があることがよくわかります。
関川夏央氏の以下のコメントを引用します。
「智に働いた末に無用の人。時代に棹差して流された。通す意地などもとよりない。なのに本人は無用とも流されたとも思わず、通すべき意志を通した結果だと信じたがる」
ちょっと否定的なトーンが強すぎるかもしれませんが、これが団塊の世代の自画像かなと思います。(202頁より)
なるほどと思っちゃいますね。この後で関川氏は、団塊の世代は有償ボランティアとして介護をやれというのですが、まあ、無理でしょうね。だいたい、この世代は他の世代のことに配慮せず、自分にとって良いことは、他の人にとっても良いことと思っていますからね。
私は、バブルを引き起こし享受し、それによる倫理的破壊を引き起こし、その上社会上の既得権益を若者に譲らず、退職金をもらって「何とか逃げ切れる」この世代が本当に邪魔な世代としか思われません。まあ、国がこの世代に対して、医療も福祉も介護もきちんと提供しよういう気がないし、だからといって過剰な要求だけはしないで欲しいものです。下の世代からは我慢せざるを得なくなるのですから、あんたらもこれ以上借金をしないで我慢してくれよ、というところですかね。