ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『イノベーションと企業家精神』P.F.ドラッカー、上田惇生訳、ダイヤモンド社、2007

 私は本書を「第14章 公的機関における企業家精神」について知りたいと思って手にとった者です。公務員などの利潤を追求しない組織において、どのようにして変革していったらよいのか、その方法論を求めていました。

 「公的機関は、イノベーションや新しい事業を、自らの基本的な使命、存在、価値、新年に対する攻撃として受け止める。これがイノベーションにとって深刻な障害となる。(212頁より)

 その答えとして、公的機関の企業家原理として、(1)明確な目的をもたなくてはならない、(2)実現可能な目標をもたなくてはならない、(3)いつになっても目標を達成できなければ、目標そのものが間違っていたか、目標の定義が間違っていた可能性があることを認めなくてはならい、(4)活動に機会を追求しなくてはならない、と挙げています。うーん、なかなか実行するのは難しいですねえ。

 全般的には、「イノベーションと企業家精神の全貌を体系的に論じた最初のものである。この分野における決定版ではなく最初の著作である」(まえがきより)というように、基礎的なことが書かれてあります。

イノベーションと企業家精神 (ドラッカー名著集)

イノベーションと企業家精神 (ドラッカー名著集)