ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

 『黄金旅風』飯嶋和一、小学館、2004→2008

 『汝ふたたび故郷へ帰れず』(1989.01)、『雷電本紀』(1994)、『神無き月十番目の夜』(1997)、『始祖鳥記』(2000)に続く、5作目の作品。とりあえず、これらの作品はすべて傑作といってもよいぐらい、外れのない作家。あえて挙げると、強烈なスリラーだった『神無月』ですが、『汝』も『雷電』も『始祖鳥記』も同じ味わいと異なる味わいがあるもので。

 本書『黄金旅風』ですが、江戸時代初期の長崎を舞台にした時代小説。これもまた、無骨でかつ繊細で多彩な人物描写があり、それに加えて、過去作品とはちょっと異なります。

黄金旅風 (小学館文庫)

黄金旅風 (小学館文庫)