「脳・意識・文明」という特集タイトルに惹かれて購入。毎日少しずつ読んでいたのですが、このような人文系からの脳へのアプローチはほとんどSFですな。めちゃめちゃ面白いっす。
「意識」がどのようなものなのか、どのようなメカニズムなのかを解明するために、脳科学からのアプローチが活発になっています。というのは、fMRIなど、見ていたり感じたり運動したりするとき、脳のどこが活動しているかが観察できるようになったから。まあ、fMRIでみられる脳血流量そのものが、脳活動とリンクするかエビデンスがないのだから鵜呑みにはできないという人もいるわけですが。
それは別として、ジュリアン・ジェインズという脳科学者?が「『イーリアス』の登場人物には、現代人が想定するような「意識」や「主観」「精神の活動」「意思」「心の空間」、統合的自我がなかった」ことを『神々の沈黙――意識の誕生と文明の興亡』(紀伊國屋書店)で示したところを中心に、この特集が組まれたようです。現代から見れば、「意識がない状態っていったいどういうこと?」と不思議に思うことですが、それが説得力をちょっともってさまざまな人が書かれています。ああ、私もこのようなテーマの書籍を手がけてみたいものです。
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2008/12/05
- メディア: 雑誌
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
■特集雑誌という形態
あまりブログには記していなかったのですが、このようなA5判の特集スタイルの雑多な論文誌って結構好きなんですよね。連載などあまりなくて、ストイックに特集だけの雑誌・ムックであればあるほど良いですね。例えば、『現代のエスプリ』『現代思想』『ユリイカ』や昔の『別冊宝島』とか。まあ、私が以前そのような雑誌を手がけていたというのもありますが。資料的価値がありますし。深みに欠けるところもあるんですけどね。
この『大航海』は購入は初めて。だいたい、新書館がこんな雑誌を制作していることに驚きました。恥ずかしいことに。新書館って、女性のオタ系のマンガを発行しているところとしか認識していませんでしたし。昔でしたら『パーム・シリーズ』とかね(このシリーズって今でも続いているんですかね?)。ホームページを見てみると、『ダンスファン』やバレエものの雑誌やDVDも手がけていますし。うーむ、不思議な出版社。『フラワー・オヴ・ライフ』に出てきたマンガ編集部って、たぶん新書館なんだろうし。専門性をきちんと保持している、結構体力がある出版社って感じします。社内では、ジャンル別にコミュニケーションがあるのだろうか?