ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

 「内なる目としてのメタ認知―自分を自分で振り返る」 丸野俊一編 『現代のエスプリ no. 497』 至文堂、2008

 メタ認知とは、「認知についての認知」と定義される。この特集は、その基礎的な知識から、教育現場におけるメタ認知の育成の方法まで、幅広くとらえられている論文集。その内容は専門用語が多く難しいので、興味のあるものだけ流し読みです。

 とくに興味深かったのは、編者の丸野先生の論文のなかの「メタ認知を司る脳のメカニズム」という項で、ミラーニューロンの発見について述べているところです。「ミラーニューロンの活性化によって、他者の表情の模倣だけでなく、他者の行動の背景にある内的状態をシミュレーションすることができるので、他者の意図や気持や心を読む(マインド・リーディング)ことが可能になる(Meltzoff、2005)」という論文があるそうです。

 また苧阪先生の「メタ認知の脳科学――いま、どこまで分かっているか」もメタ認知がどのような仕組みでなされているか、ワーキングメモリの容量などによる個人差があることなども興味深いですね。

内なる目としてのメタ認知―自分を自分で振り返る  現代のエスプリ no. 497

内なる目としてのメタ認知―自分を自分で振り返る 現代のエスプリ no. 497