ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『猟犬探偵』 稲見一良、光文社、1994→2006

 猟犬を探す探偵「猟犬探偵」竜門卓を主人公にしたハードボイルド・ミステリの短編集。「トカチン、カラチン」「ギターと猟犬」「サイド・キック」「悪役と鳩」の4編を収録。都筑道夫の『くわえ煙草で死にたい』をはじめとする、西連寺剛シリーズにテイストが似ています。それは、昭和の匂いのようなもので、人のつながりを信じることができるところなど非常に人間くさく、どこか牧歌的な感じがして古めかしい感じです。そのような世界観が好きな人にはたまらないでしょう。☆☆☆★というところです。

猟犬探偵 (光文社文庫)

猟犬探偵 (光文社文庫)