特集が「福祉と科学の新しい関係――身体・脳・マシン」というもの。「バリアフリー科学のすすめ」「脳科学からの提案」「脳損傷による知性と感性の乖離」「脳と機械をむすぶ」「人工内耳と脳の柔らかな関係」「バリアフリーとヴァーチャル・リアリティ」「視空間認知障害者のMRリハビリテーション」「アザラシ型ロボット“パロ”のセラピー効果」など、この分野はまだまだ面白いと思える論文でした。
とくに総論的な説明をしている伊福部達先生の「バリアフリー科学のすすめ」はコンパクトにまとまっていて便利です。その論文のなかで――脳科学とは少しずれるのですが――視覚障害者のなかには、障害物の有無について「気配」のような感覚でとらえることができること、なかには「盲人たちの多くは、障害物の有無による音場の微妙な変化を聴覚で聞き分ける」能力があると書かれており、唸ってしまいました。
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/04/28
- メディア: 雑誌
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (1件) を見る