私立探偵モウゼズ・ワインを主人公にしたシリーズのひとつ。シリーズが全部でいくつ出版されているかをネットで調べてみましたが、不明でした。ウィキペディア(http://en.wikipedia.org/wiki/Roger_L._Simon)によると、以下の書籍を出版しているらしい。
Dead Meet (1968)
Heir (1968) 『エアー: 相続者』
The Mama Tass Manifesto (1970)
The Big Fix (1973) 『大いなる賭け』
Wild Turkey (1974) 『ワイルドターキー』
Peking Duck (1979) 『ペキン・ダック』
California Roll (1985) 『 カリフォルニア・ロール』
The Straight Man (1986) 『ストレート・マン』
Raising the Dead (1988) 『エルサレムの閃光』
The Lost Coast (1997) 『誓いの渚』
Director's Cut (2003)
Blacklisting Myself: Memoir of a Hollywood Apostate in the Age of Terror (2009)
このうち、最初の三作がポケミスで翻訳されなかったということは、ノンシリーズだったでしょうか? 『大いなる賭け』は未読なのですが、そのあとがきには書かれているかもしれません。ちなみにサイモン氏のブログも開きましたが全くわかりませんでした。上記のウィキペディアによると、「サイモンは、ウェブログの編集をしている新興企業のパジャマメディアと呼ばれるウェブマスターである。パジャマメディアは2008年にインターネットテレビに拡大した」というので、小説家稼業は中断して、ジャーナリスティックな活躍にシフトしているのでしょうか?
さて、本書のストーリーはといいますと、依頼人が殺されてしまったところから始まります。
ニュースキャスターのデボラ・フランクがホテルの一室で刺殺された。その殺人犯として、全国書籍賞を受賞したジャック・ヘクトが警察に疑われているらしい。出版社の編集者は探偵を雇うようにヘクトに勧め、ワインが呼ばれたのである。警察がヘクトを疑う理由は、デボラと派手に意見が対立し罵りあいをしていたこと、デボラ死亡時にアリバイがなかったことだった。ヘクトはその時間にメイコという女とセックスしていたが、メイコが行方不明になっていた。編集者は、ワインにメイコを探すように依頼をするのだが…。
探している最中に、ワインはもう一度ヘクトを訪ねたところ、ヘクトはデボラ殺しの遺書を残し、自殺していた。ヘクトは自殺するような男ではないと不審に思って、ヘクトの妻のナンシーに捜査を依頼された。
翻訳のせいなのか不明ですが、描写も文章も極めてシンプルで、ストーリーも極力説明を省き、ひとつの事実が現れたら、次のシーンでは全シーンのことを読者がすでに了解したものとしているため、読み飛ばしができず、少ないページ数でありながら疲れました。☆☆☆★というところです。
- 作者: ロジャー L.サイモン,木村二郎
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1977/08
- メディア: 新書
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