文学少女シリーズ第3弾。今度は、武者小路実篤『友情』をモチーフにした物語。
遠子が学校の図書館から借りてきた『野菊の墓』の1ページが切り裂かれなくなっていた。その犯人を捜してみたところ、心葉のクラスメートの芥川だった。一方、来るべき文化祭で演劇を上演すると宣言した遠子は、芥川、竹田、琴吹を誘って、『友情』を演じることになった。しかし次第に芥川の様子がおかしくなっていく―。
相変わらずのシリーズで、本作も、一人の登場人物が過去に起こした過ちを原因とした悲劇に、遠子そして心葉がからんで、それぞれが傷ついて、そして解決を見せてくれます。コメディ的な要素と悲劇的な要素のバランスが絶妙です。☆☆☆☆ですね。
しかし本作では、遠子も心葉も琴吹も、何らかの過去を隠しており、それらは断片的に語られつつも、次作にもちこしております。それが不満といえば不満ですかね。
- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/12/25
- メディア: 文庫
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