hoshi-itsu’s 本にまつわるblog

「ほしいつ」です。海外ミステリが中心のブログです。下書きがなくなってしまったのが悲しい……。

『デス・コレクターズ』ジャック・カーリイ, 三角和代訳,文藝春秋、2005→2006

 ジャック・カーリイの『百番目の男』に続く第2作目の作品。『デス・コレクターズ』の書評では、しばしば「『百番目』ほどネタは強烈ではないけれどストーリーテリングがよくなった」と評価されていたため、ネタだけの作家だと思っていた私は、なかなか手に取らずにいたのですが、第3作目の評判をうかがって手にとった次第。

 『百番目の男』ではストーリーがオーソドックスで不器用な感じを受けたのですが、本作を読むと、技術が上手くなっているわけではなく、あまり変わっていません。かといって決して下手なのではなく、わざと上手く見せていないのではないような感じがします。一読ではサイコサスペンス+謎解きミステリなのですが、実はメタ・ミステリ作家なのかな。『百番目』のネタが強烈すぎたため、少し目くらましを受けたのかもしれません。

 モビール市警察本部刑事《精神病理・社会病理捜査班:PSIT》に所属する刑事のカーソン・ライダーとハリー・ノーチラスの所属の所轄館内で、路地で身元不明の射殺死体で発見された女性“オレンジ・レディ”、またモーテルの室内で大量のキャンドルと花に囲まれて、さらい目蓋の上にキャンドルがたかれた状態の絞殺死体で版権された名無しの売春婦の捜査に当たった。そのモーテルの部屋からルービン・コイルという男の指紋が見つかった。コイルは5日前から失踪していた。コイルの元に何者からか絵画(アート)が送られてきていた。

 売春婦は検死によると、売春しているような身体ではなく、さらに数日前に絞殺され、一度土の中に埋められ、掘り起こされた後、身体を洗浄し、モーテルに運び込まれたというのだ。一体犯人はなぜそんなことをしたのか? カーソンは、匿名の通報者の「アートはなかったか」という言葉にひっかかり、通報者に会いに行くと、元刑事の老人で彼は、1970年の連続殺人者(シリアル・キラー)で射殺されたヘクスキャンプを待っていたというのだ。彼は、シリアル・キラーの遺物などを記念品としてコレクターと関係がある。二人は調査を始める。

 私の好みのミステリだったため、☆☆☆☆とちょっと評価は高めです。ジェフリー・ディーバーと比較するべき作家なのではないでしょうか。本作のトリックは、おそらく80年代に謎解きミステリとして、アメリカ探偵作家クラブペーパーバック賞を受賞したものから影響を受けたのでしょう。

デス・コレクターズ (文春文庫)

デス・コレクターズ (文春文庫)