ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『相棒 Season 8』「第11話 願い」

 青空警察署の受付をしていた特命係の二人は、電池式の古い盗聴器が仕掛けられたという訴えを聞く。その住所は1994年に田島遙という少女が失踪した事件が起こった家だったことを思い出した右京は盗聴器が仕掛けられていたという事実から興味をもって迷宮入りした事件に対し個人的な捜査に乗り出す。

 その事件とは14歳の遙という少女が失踪し、絵本作家の今井のゴミ箱から遙のマフラーが見つかったものであった。その一年後に今井は自殺し、その後に遙の母親もくも膜下出血で死亡した。改めて調査したところ、事件当日の昼間に田島家に2本の電話がかかってきていたこと、盗聴を仕掛けていたことことから、計画的な誘拐事件だったのではないかと推理する。

 そして、遙の友達で当時いっしょに待ち合わせをしていた南条夏樹が誘拐されてしまった。果たして二つの事件に関連性はあるのか?

 ふとした関連性をもつきっかけで昔の迷宮入り事件を捜査するという趣向。事件の発生が遅く、犬井の死体の発見など説明的なところもあるものの、ひとつの事件の関係者が寄り集まって犯罪を犯すという、ちょっとしたオリエント急行を思い出す、ミステリ趣向のあるちょっと面白いお話でした。☆☆☆というところです。