ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『capeta(カペタ) 21巻』曽田正人,講談社,2009/12

 『capeta』を読むたびに、いつも『デビルマン』に似ているなあ、と思う。それはストーリーそのものではなくて、過剰に説明することがなく、ギリギリまで絞ったネーム、シーンとシーンのつなぎ方こと。ちなみに、同様に感じるのは、森脇真末味さんもだ(いったい今はどうしているのだろう?)。

 また、違和感を感じるのは、漢字の使い方。「どとう」「さいしょ」「おちつけ」など、不思議なところで平仮名を使用する。カペタの台詞だけかなと思ったけど、どうも他のキャラの台詞でも、平仮名を使うことがある。いったい、どういう基準があるのだろう?

 『capeta』は今時には珍しい“正しい少年マンガ”なので、私は好きだ。“正しい少年マンガ”の定義とは気恥ずかしいけれど、代表的なものを挙げれば『キャプテン』である。才能があってもなくても、自らの能力を最大限に押し上げて成長するという物語。それは、時代に合わなくなってしまうリスクがあるのだけど、曽田さんはそれを上手く折り合いをつけている――『シャカリキ』のときからそうだった。

 とにかく、このような熱い物語は、きちんと続いて欲しいと思う。ただし30巻まで(それから先は新作に移って欲しい)。

capeta(21) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

capeta(21) (KCデラックス 月刊少年マガジン)