ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『相棒 Season 8』「第14話 堕ちた偶像]

 ななみという少女が、夜マンションから駐車場に向かう途中に、見知らぬ男に声をかけられ、走って逃げたところ自転車にはねられ腕を骨折し入院した。少女が言うには、追いかけてきた男は政治家の江嶋代議士だという。

 興味をもった右京と神戸は、そのマンションに到着すると、同じマンションに住むジャーナリストの安田という男が河川敷に死体で発見されたという。安田の事務所にヨハン・コルビ、カワラ、レンガ、ブロックなどが書かれたメモが残っていた。

 神戸が江嶋と古い知り合いだったことから、江嶋が事件に関わりはないと断言するのだが、右京にそそのかされて江嶋の周辺を探っていくと、江嶋は野党から与党に移ったところで、重要な法案を通すための瀬戸際にいたことがわかる……。「人は信念を貫くためなら危険を冒すのではないのですかねえ」と右京は呟く。

 神戸にしか出来ないことをもって右京の捜査に協力する神戸が面白かった。常々、神戸ではなく、調査員としての探偵役としてもう一人必要なのではないかと思っていたから、このようにだんだん右京に魅入られて協力していくキャラというのも意外性がある。しかし、それは神戸の特長を削ることになるのだけど……。ミステリ的には、ダイニングメッセージぐらいで大したことはない。☆☆☆というところ。