日常型心の傷とは以下の通り、昔からあったと思われるが、現代特有の状況によって生じる心の傷のことらしい。その多くの原因は、人間的つながりの希薄化としている。
小田部(2009)によると、生命の危機に結びつかない精神的暴力・虐待・嫌がらせに悩む人々、すなわち日常生活の中での対人関係の中で、他者から何気ない「暴力」や「嫌がらせ」「関係拒否」などによって、大きな「心の傷」を受けている人が非常に多い(生命の危機に直結するトラウマとは識別して、ここでは「日常型心の傷」とよぶ)という。例えば、「いじめ」「ネットいじめ」「児童虐待」「嫌がらせ」「無理難題名イチャモンをつける保護者」「アカデミック・ハラスメント」「パワー・ハラスメント」などと、数えればきりがなく、その「日常型心の傷」を受ける対象者も、子どものみでなく、学生、大人と多様である。(丸野、6〜7頁より)
この特集は面白い論文が多かった。ネグレクトについて、児童福祉施設の子どもたちについて、子どもの心の動きが酔えない親について、心の傷が読めない教師について、レジリエンスについてなど。
「日常型心の傷」に悩む人々 (現代のエスプリ no. 511)
- 作者: 丸野俊一
- 出版社/メーカー: ぎょうせい
- 発売日: 2010/01/12
- メディア: 単行本
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