クイーン16作目の作品。前年に『災厄の町』を発表しており、クイーン中期の作品といえます。
「靴に棲む老婆」とは、靴製造会社で巨万の富を稼いだ会社社長の老婆のことで、その老婆社長には、前夫の間に二人の息子と一人娘、二番目の夫との間に三人息子、計六人の子どもがおり、その中の二人が殺されるというストーリー。
本作を読むと、クイーンほどの巨匠になると、最高傑作とはいえないけど、どの作品も最低限のレベルは達していることがわかります。きちんとした謎の提示があり、中途のサスペンスと不可思議性があり、論理にしたがって犯人を捜した後、さらに真犯人を指摘してみせるという、「ここまでしっかり構成ができていれば面白くならないよな」と思わせてくれます。☆☆☆★といったところ。
- 作者: エラリー・クイーン,井上勇
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1997/11
- メディア: 文庫
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