文学少女シリーズ第5作目の作品。いよいよミウと再会する井上心葉くんです。シリーズ4作目まで読んでいて、ミウというのは心葉の影であり架空の人物ではないかと考えていたのですが、4作目の作者のあとがきで書かれていたとおり、心葉の初恋の人という形で登場しました。そして、これまで断片的にしか語られなかった、心葉とミウの過去が、なぜ心葉は新人賞をとるほどの小説を書いたのか、なぜミウは自殺したのか、などの関連性が語られます。
本書では宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』がモチーフ。語られるストーリーはあまりにも冥く、読み進めるのがつらいくらいですが、最後には一応のカタルシスが得られます。――といっても『エリア88』と同じくらいですが。うーん、過去作を読まなければ分からないので☆☆☆★というところです。
- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/08/30
- メディア: 文庫
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