ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『大聖堂〈中〉〈下〉』ケン・フォレット, 矢野浩三郎,新潮社,1989→1991

 中巻でようやく大聖堂の建築に着手します。先はまだ長いです。とにかく長かった……。今回、ソフトバンク文庫ではなく新潮文庫の上・中・下巻だったのですが、各巻およそ600頁で全部でおよぞ1800頁。出張があったので、新幹線の往復もありましたが、読んでも読んでも終わらず……。だからといって、頁に比して流れている時間は速くないので、このページ数ならば人生を感じるものですが、それもなく……。

 「現著者からのメッセージ」に「これは、愛と憎しみ、野望と貪欲、欲望と怨恨と復讐との、ヒューマン・ストーリーである」(623頁より)というように、本書は波瀾万丈のロマンスである。それだけしかない、ともいえるけど、それがあまりにも盛りだくさんで、中途で飽きさせることがなく、読み続けてしまう。私の指標として、☆☆☆☆以上のクラスは、そのジャンルが好きな人には勧めることができるとしているが、そういう意味で私のようなミステリ好きの人間には勧められる作品ではない。☆☆☆★というところであります。

大聖堂〈中〉 (新潮文庫)

大聖堂〈中〉 (新潮文庫)

大聖堂〈下〉 (新潮文庫)

大聖堂〈下〉 (新潮文庫)