ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『毒蛇の園』ジャック・カーリイ, 三角和代訳,文藝春秋,2006→2009

 『百番目の男』『デス・コレクターズ』に続くジャック・カーリイの第3作目の作品。前2作とも非常に面白く愉しませて頂きました。とくに『百番目の男』はストーリー展開にぎこちなさがあったとはいえ、あの愛すべきヘンタイネタは私のこころを強く打ちました。巷ではトリック的には『デス・コレクターズ』の評判が良いようですが、友人に推薦すべきミステリとしてどちらかを選べと命令されたら、間違いなく『百番目の男』を選びますね。

 さて、本書『毒蛇の園』ですが、正直いってイマイチ。ストーリー展開は『ノンストップ』並にスムーズです(これって凄いことだと思う)が、謎解き要素が少なかったのが残念です。とはいうものの、サイコサスペンスと謎解きのミックスはこうあるべきだよなというラストでありました。☆☆☆★というところです。

毒蛇の園 (文春文庫)

毒蛇の園 (文春文庫)