ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『エンジェルズ・フライト』マイクルコナリー, 古沢嘉通訳,扶桑社,1999→2006

 ハリー・ボッシュ・シリーズ第6作目の作品。黒人の人権派弁護士でしばしば警察の裁判上の的になっているエライアスが、ケーブルカー「エンジェルズ・フライト」というケーブルカーの頂上駅で臀部(尻の穴)、顔面、後頭部などを銃で撃たれ殺された。マスコミには警察内部の犯行ではないかと疑われた。ボッシュは捜査チームの現場責任者として、事件を追跡するのだが……。

 エライアスの性癖が過去に引き受けていた事件と関わり、次第に意外な犯人が浮かび上がってくるという展開で、最後に苦い結末を待ち受けている。警察捜査小説としてエンターテイメント小説として面白く☆☆☆☆というところ。親身があるわけでもないし、決して傑作ではないけれど間違いなく愉しめる。 

エンジェルズ・フライト〈上〉 (扶桑社ミステリー)

エンジェルズ・フライト〈上〉 (扶桑社ミステリー)

エンジェルズ・フライト〈下〉 (扶桑社ミステリー)

エンジェルズ・フライト〈下〉 (扶桑社ミステリー)