ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『ブラックペアン1988』海堂尊、講談社、2007、2009

 本書はミステリではなく、ある大学病院外科学教室でのドラマです。1988年東城大学総合外科学教室に、帝華大学のビッグマウスの講師の高階が送り込まれてきた。高階は新しい外科器具を用いれば、食道がん手術を今まで以上に簡単に行えると主張し、佐伯教授ら医局の面々を挑発するのだが……。

 ウィキペディアを見ると、『チームバチスタ』が2006年発行ですから、本書はその翌年なので、きわめて初期作といえるでしょう。きわめてリーダビリティが高く、分量の割にはすぐに読み終えてしまいました。海堂氏のキャラ立ちは、ライトノベルに通じるものがありますが、医師を含む医療業界の人々は、普通にキャラ立ちしている人が多いのでしょうか? エンタメの基本に則っていて、非常に面白かったですね。

ブラックペアン1988(下) (講談社文庫)

ブラックペアン1988(下) (講談社文庫)

ブラックペアン1988(上) (講談社文庫)

ブラックペアン1988(上) (講談社文庫)