ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『物語の命題―6つのテーマでつくるストーリー講座』大塚英志、アスキー新書、2010

 大塚氏の一連のストーリー作りマニュアルの一冊。マニュアル本や学習書というのは、学ぶ方のレベルに合わせなくてはならないため、そのレベルではない人にとっては役に立たず批判を浴びてしまうものですが、本書はストーリー作成の初心者のためのものとなっています。

 『キャラクターメーカー』がキャラクターをでっち上げることによって物語を作り転がしていたように、本書では別の方法論として、物語にある普遍的なテーマを洗濯して、それに従って物語ることができると述べられています。

 その普遍的なテーマですが、「アトムの命題」「エーリクの命題」「百鬼丸の命題」「ジェニーの命題」「フロルの命題」「アリエッティの命題」と名付けられた6つが挙げられており、一つの方法論としてはなるほどと感心しました。このテーマから物語るという方法論は、先日『ミステリーの書き方』で東野圭吾氏が述べていたことと同じですね。