ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『ゴールデンタイム 第3巻 仮面舞踏会』竹宮ゆゆこ, 駒都えーじ,アスキーメディアワークス,2011

 竹宮ゆゆこ氏の新作。うーむ、新作を楽しみに待っているなんてこのシリーズだけだな。このシリーズは、『田村くんシリーズ』や『とらドラ!』と比べると、作者が何を狙いにしているか、いまいち伝わって来ません。少しもどかしい感じがします。
 主人公の多田万里は高校時代の事故がもとで、ここ1年の記憶を失った。そこへ、気位の高いお嬢様の加賀香子が、万里の友人の柳澤光央を追いかけ回していたことに巻き込まれて、ふと万里が香子に惚れてしまう。第2巻で告白し合って、本巻のオープニングでつきあい始めた。一方、光央は好きだった岡千波にふられてしまう。
 万里の高校時代の友人の林田奈々が、万里の記憶喪失前にどのような関係であったのか、作者は少しずつ明かしていくわけですが、本巻でも恋人であったのかなかったのかは言明していません。記憶喪失後の万里は香子が好きで、記憶喪失前の万里は奈々が好きであるという設定が今後どのように展開し決着していくのか眼が離せないのですが……。