ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『死にぎわの台詞』レジナルド・ヒル, 秋津知子訳,早川書房,1984→1988

 ダルジール警視シリーズ第8作目の作品。ある11月の夜、三人の老人が殺害された。一人は入浴中に頭から打撲や切り傷を受けて血を流して湯船に横たわっていたところを発見された。もう一人は、自転車に乗って車にはねられた。彼も頭部を殴られ、切り傷をもっていた。その車のドライバーはダルジールと目撃されていた。さらにもう一人は、ラグビー場に腰を骨折した状態で倒れていたところを発見されていた。彼らはそれぞれ死にぎわに興味深い言葉を残していた。パスコー警部たちはそれぞれ捜査を始める。

 3つの事件が同時に捜査され、ぼんやり読んでいると、どの事件のことを捜査しているのか混乱してしまって、ちょっと私にはダメだったかな。☆☆☆というところですが、そのなかの殺人の一つの犯人像が、これは犯則じゃないかと思いつつ、ちょっとうなってしまう真相でした。現在だったら、これは書けないでしょうね。


↓こちらは『薔薇は死を夢見る』レジナルド・ヒル, 嵯峨静江訳,早川書房,1983→1985
http://d.hatena.ne.jp/hoshi-itsu/20100225/1267115751

↓こちらは『闇の淵』 レジナルド・ヒル,嵯峨静江訳、早川書房、1988→1991
http://d.hatena.ne.jp/hoshi-itsu/20090914/1252945305