作者はスウェーデンのジャーナリスト。本書はデビュー作『黄昏に眠る秋』に続く第2作。表4に「スウェーデン推理作家アカデミー賞長篇賞、英国摺作家協会賞インターナショナル・ダカー賞、「ガラスの鍵」賞の三冠に輝く傑作ミステリ」と紹介されていること、そういえば『黄昏に眠る秋』も評価されていたなあと、興味をもって購入しました。その後、『このミス』で調べてみると、ベストに入っておりませんでしたが……。
スウェーデンの東南にある、東西に長い孤島で、長い橋で本土と繋がっているエーランド島が舞台。その島にヨアキムは、ストックホルムから妻のカトリン、子ども二人とともに移住してきた。ぼろぼろの古い屋敷を購入して、少しずつリフォームして暮らすつもりだった。一方、島には退屈しているが金は欲しがる不良どもがいた。彼らは、不在にしている別荘などを強盗しようとする……。また、島には久しぶりの新任の警察官が赴任してきた……。ヨアキムが一日ストックホルムに行ったその日、カトリンが海におぼれて死体で発見された。ショックを受けたヨアキムは気力を失っていく……。カトリンが死んだのは事故だったのか? 自殺だったのか? 次第に殺人ではなかったかとヨアキムは疑っていくのだが……。
この後、捜査が続き、カトリンの死がもたらす波紋が大きく、昔の人間関係が晒されていくのですが、その展開はミステリというよりも、さまざまな登場人物が複雑に絡み合っていき、必然の流れのように感じます。クリスマスに死者が集まるというスウェーデンの民話がストーリーに絡みます。しかし、視点が多すぎること、謎解きの要素が少なく、最後に真相が暴かれるのですが……。まあ、このようなゴシック調のお話は私には合わないということで☆☆☆です。
- 作者: ヨハンテオリン,三角和代
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/02/09
- メディア: 単行本
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