パラレルワールドもののSFミステリ…ではないか。むしろSFと言い切っていいと思います。
主人公の嵯峨野リョウは2年前東尋坊の崖から落ちて死んでしまった恋人当時中2のノゾミを弔うために、現場に花を持って赴いた。そこで思わぬことから意識を失い、再び目を覚ました。自宅に戻ると嵯峨野サキと名乗る女性がいた。話し合ううちに、ここはリョウがいない世界であることがわかった……。そこでは、ノゾミが生きていたのである。自分が存在しない世界の結果を見せつけられるリョウは、次第に不安定になっていく……。
もし自分が存在しなかったらどのようになっているのか、誰もが若い頃に一度は考えることを示したものです。若いときに読めばよいのでしょうが、私は起こってしまったことはどうしようもないだろう、と考えてしまうため、あまり感情移入ができませんでした。☆☆☆★というところです。
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/09/29
- メディア: 文庫
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