ジェフリー・ディーヴァー全31作中第14作目の作品。リンカーン・ライム・シリーズ第2作目の作品。ディーヴァーは最初ハヤカワ文庫でリーガルサスペンス作家として少し評価されて、映画化とともに文春文庫に移動した作家で、改めて作品数を数えてみると、年1作定期的に発表されており、30作を超える作家になっていました。わたしも初期翻訳作『静寂の叫び』を読んだような気がするのですが、内容はまったく覚えていません……。
FBIは武器の密輸の容疑で実業家を拘留した。しかしその密輸の証拠がない。FBIは実業家がある夜自家用飛行機でバッグに証拠を入れて捨てて戻ってきたらしいという情報を受けた。その目撃者は3名おり、その中の1人が飛行中の爆弾で殺された。実業家が殺し屋に依頼したらしい。その殺し屋はコフィン・ダンサーといった。FBIはコフィン・ダンサーに過去に因縁のある科学捜査専門家リンカーン・ライムに2人の護衛とダンサーの逮捕を依頼したところから、ライムとダンサーの戦いが始まる。
ライムはダンサーが仕掛けた爆破が起きた場所とその痕跡を詳細に分析し、ダンサーがどのような男なのか、どのように2人を殺すのか推理し防ごうとする。一方、元軍隊にいたと思しいダンサーは、陽動作戦などを行い少しずつ殺人を実行する。
昔からある探偵対殺し屋のバリエーションの一つで、読む前はあまり期待していなかったのですが、裁判が開かれるまで証人となる2人を守らなくてはならないというデッドリミット物(でもこれはリンカーン・ライムに有利な気がするのですが…)で、証人2人はチャーター機をもつ会社で経営を守るために社長自ら操縦しなくてはならない、そのために殺人からの護衛が難しくなるなど、現実性を踏まえてサスペンスを盛り上げていきます。最後のダンサーのエンディングも、ひょっとして叙述ものなのかと非常に驚きました。☆☆☆☆というところです。
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