ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『泣き虫弱虫諸葛孔明 第参部』酒見賢一,文藝春秋,2012

 酒見賢一氏の新作。第弐部では長すぎて退屈というようなことを書いた気がしますが、申し訳ありません。やはり酒見さんの作品は私の性に合うようで,新作が出されちゃったら読まざるを得ません。そして面白かったのでありました。

 本作の第参部は、赤壁の戦い周瑜の死までをお話です。筋はシンプルで脚色が少ないのではないでしょうか。私は三国志については、横山三国志、吉川三国志を読んでいる程度で、あまり詳しくはないのですが。もっと『陋巷にあり』のような伝奇的脚色があってもいいのでは。

 それにしても、「泣き虫弱虫」というタイトルが良くありません。これでは読者が手に取るのを躊躇してしまいますよね。おそらく最終的に、このテーマに合流していくのでしょうけれど。

泣き虫弱虫諸葛孔明〈第3部〉

泣き虫弱虫諸葛孔明〈第3部〉